より詳しく・・・(ここが従来のバイオトイレとは違います)

バイオトイレ概略図
バイオトイレ概略図

 1.好気性バクテリアを活用 

■近年ではバイオトイレの有効性が認知され、各地での導入がさかんに行われています。しかし同時にさまざまな問題点も浮上しています。とくにニオイに対するクレームは依然として多く、これらは使用後数年が経過した施設で顕著です。バイオR21は独自の好気性バクテリアを使用開始時に投入することでこの問題を解決しました。仮設トイレにつきものだった臭気はもうありません。
■従来型のバイオトイレは、人間の排泄物に含まれる「嫌気性バクテリア」により有機物の分解を行っていま す。したがって、本来は完全な処理のために必要な「好気性バクテリア」の活動は期待できず、導入後数年を経ると悪臭の発生が起こりえます。また、それらの バクテリアは発酵槽内の条件(有機物の量、生息環境の温度、水分量、酸素量など)によっては死滅してしまいます。また、原材料が植物性であるペーパー類の 分解も不得意なため、ペーパーの分別回収が必要になったバイオトイレもあります。
■悪臭成分は、低級脂肪酸類、窒素酸化物(アンモニア、アミン類など)、硫黄酸化物(硫化水素、チオール、 スルフィッド、スカトールなど)が主成分とされています。特にし尿特有の悪臭の大半は油成分が腐敗した物質です。有機性廃棄物を処理する際、バクテリアが 活動してこれらの悪臭成分を分解したり、エネルギー源や生体成分の生合成原料として利用することが出来ると、悪臭を感じない処理が可能となります。
■これらの問題を解決し、さらに発生したコンポストを再び大地に還元させることが、理想的なバイオトイレの 姿です。地中に棲息するバクテリアの中から、好気性・廃食用油分解の特長を持つバチルス属の構成を発見し、使用開始時に投入しているのは「バイオR21」 だけです。バチルス属のバクテリアは棲息しにくい環境になると胞子となり、環境が整うと再度栄養細胞として復活します。したがって外的条件により死滅する ことが無く、コンポストの取り替え作業を軽減します。また、ご利用年数が長いほどバクテリアの生息環境が整い、処理能力が向上します。


2.維持管理がしやすい

■バイオトイレ導入の大きなメリットとして維持管理面での負担が少ない点が挙げられます。特にバイオR21は定期的なオガクズ等の交換が不要ですので、管理担当者さまのご負担を大幅に減らせます。くみ取りの心配をせずいつでもトイレが使えます。

■オガクズは含水率が高く、嫌気性のバクテリアには住みやすい環境ですが、好気性のバクテリアにとっては棲 息しにくいため2次発酵が不十分です。したがって、菌床にオガクズを使用するタイプのバイオトイレは年に2~3回もコンポストといわれる物を取り出すこと が必要です。発酵が不十分な(つまり悪臭のする)コンポストに触れることは苦痛以外の何者でもなく、衛生上も問題があります。
■「バイオR21」で使用するそば殻は空隙が多く、好気性であるバチルス属のバクテリアにとっては理想的な 生息環境となりますので、2次発酵の進んだ理想的な(当然無臭の)コンポストになります。またコンポスト全体の量も減少する傾向となりますので、定期的に 取り出す必要はありません。(利用状況によります)
■また、土壌改良材として使用する場合にも空隙中の好気性バクテリアが活発に有機物を分解しますので力のある土壌となります
■バイオトイレの利用可能数は、発酵槽からの水分蒸発量により大きく左右されます。水分の蒸発は気象条件や 菌床の状態により影響されるため、いままでは頻繁な確認作業が必要でした。カウンタ式などが試されてきましたが正確さに欠けるため、しばしば菌床の入れ替 えを招く事態となりました。

 

3.運用がしやすい 

■従来のバイオトイレは使用量の把握がむずかしく、運用の面で大きな問題を抱えていました。そこでバイオR21は重量センサーによる独自の管理システムを開発し、この問題を解決しました。

■「バイオR21」は本体底面4隅に設置されたロードセル(重量センサー)により発酵槽の重量を感知し、そ の信号を和算後指示計に表示します。設定値以上になると信号が送られパトライトが点灯。(緊急時を除きパトライト点灯中は使用を中止します。)発酵槽内が 乾燥し設定値以下になるとパトライトは消灯し、再び使用可能となります。したがって、あらかじめ1日のキャパシティを越える使用量が想定される場合は、複 数のバイオトイレを設置するか、下記のし尿分離システムを導入する必要があります。

 

4.ピーク時対応力が大きい 

■災害避難時やイベント等で突発的に利用者の増加が考えられる場合、最大ピーク時に合わせて施設整備を行うことは、費用や工期の面で大きな負担となります。バイオR21は「し尿分離システム」により最小の費用でこの問題を解決します。

■前述の通り発酵槽内の水分量により利用可能数が決まるため、バイオトイレが自己処理できる量は最大でも1 日100回程度です。(当社L型の場合)短期的にはそれ以上の利用も可能ですが、コンポストの入れ替えを伴う場合が多いため、メンテナンスの面からも別の 解決策が求められます。
■「バイオR21」は上記の重量センサーシステムと、し尿分離型便器を活用することにより、し尿分離システムを導入することができます。これにより1日当たり2500回以上の利用が可能となり、ピーク時でも余裕を持ったトイレシステムが提供できます。また、専用タンクに貯蔵された尿はチッソ、リン、カリが理想的に配合された液肥として活用が可能です。エコロジカルサニテーションの実践により本物の資源循環が実現できますので、環境教育の機会にも大変に有効です。